まちの赤提灯-ホルモン中畑商店 その3

まちの赤提灯-3

中畑ホルモン

いつもと違うカウンター中からの景色。店主はこの景色を46年、ほぼ毎日見続けている。

 

店主である中畑安弘さんと開店前の店内で長年愛用する道具の話をした時の話。

― この店はじめてから今までずっと使っている物ってあります?

などと話していると

中畑さん いまもう鉄板とステンレスのカウンターだけになってしもたなぁ…この焼きコテも割と長いけども。これにも右と左があってな。本来は両方どちらでも使えるはずなんやけど。わたし癖があって握ったらすぐ分かるんや。このコテで何代目やろか。

中畑ホルモン ホルモン コテ確かに焼きコテを見ると、角の減り具合から左右あるように見える。

 

中畑さん 小銭入れも昔はバケツやったんやけどな。今は木の丁度良いサイズの箱があってそれになったんや。一時期、このステンレスの台と小銭入れをくっつけたら、見てない隙付いてお客さんが取りよったんよ。でも台に付いとって取れんでな。ヒヒヒヒ。

 

さすがに46年経つと、毎日使う道具の数々は摩耗したり割れたりするそうで、中には長年研ぎ続けて磨り減った牛刀包丁もある。

中畑ホルモン 牛刀包丁

(写真上、渡辺源正弘-牛刀包丁と下は包丁研ぎ棒)

中畑さん 使い始めはこれぐらいあったんやわ(手を広げて約5cmくらい)。でも、毎日使いもって研いどったらこんなにちびてもてな。薄っす薄っすなってもて。

中畑ホルモン 皿 箸

お客さんが焼き上がったホルモンを盛るメラミン製の小皿は、昔は家で使っていた食器を使っておりバラバラだったそうだ。箸は当初割り箸だったが、お金もかかりゴミも増え数年単位で取り替える箸に変えた。写真の箸も左右長さが違うほどに使い込まれている。

中畑さん さて、ほな今日もぼちぼち店開けよか。

今日もいつもの日課である串打が始まる。

中畑ホルモン

 

まちの赤提灯―ホルモン中畑商店 その1を読む

 まちの赤提灯―ホルモン中畑商店 その2を読む


まちの赤提灯-ホルモン中畑商店

神戸市兵庫区東出町にある「ホルモン中畑商店」についての特集を不定期に更新するコラム。
今後も引き続きお楽しみ下さい。

ホルモン中畑商店
[住所]神戸市兵庫区東出町3-21-2 (稲荷市場南) [TEL]078-681-9598

[営業時間]9:00〜19:00(入店は18:00まで) [定休日]基本木曜日(年に数回、臨時休業あり)


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