フォトジェニックなまち並み 神戸稲荷市場
ハーバーランドのすぐ側という立地にも関わらず、下町風情が残る稲荷市場周辺。大型のファッションビルumieから徒歩8分程度でこのまち並みが広がっています。
この写真は稲荷市場周辺で一番高いビルの屋上から撮影されていて、わたしたちが稲荷ヒルズと呼んでいるこのあたりで一番の高層ビル。といっても、5階建て。この辺りがいかに低層かわかりますね。写真左奥に見えるクレーンは川崎重工。中央あたりの緑の立派な屋根は松尾稲荷神社で、写真右下あたりの青いトタン屋根が i’ma の屋根です。右下から左上にかけてまっすぐのびているのが市場のアーケード。写真右側中央あたりにはプチ開発された区画なのか、5軒ほどおなじ屋根が並んでいたりと、道幅を広げようと区画整理した跡がわかりますね。って、わかりにくいか。眺めれば眺めるほどにやけてしまう写真です。今回はこの屋根の下にひろがる世界をご紹介します。
松尾稲荷神社
大小さまざまなお稲荷さんの提灯が所狭しとひしめき合っています。わたしはこの写真をみるだけで、嗅覚が働き、お線香のいい香りを感じてしまいます。これもシズル感というのでしょうか。実はこの奥にビリケンさんが鎮座されておられます。道頓堀だけじゃないですビリケンさんは。道頓堀のビリケンさんは、今まさに産道を通って出てきました!ってくらい頭を長細くした赤ん坊風ですが、こっちのビリケンさんのは口元がぶよぶよ、ぶわぶらしていて、総入れ歯を外した老人の口に正面から強風を当てた感じです。顔、全然違います。是非見に来てください。
立派な鳥居がいくつも立ち並ぶ正門からの眺めです。神社としての趣を感じられるだけでなく、ここにはもうひとつお楽しみがあります。宮司さんが世界のビリケングッズをコレクションされていて、境内でコレクションの写真が展示されています。宮司さんのコレクションの中の、ビリケンの背中に彫られたマークの形や色が格好よすぎて、グラフィックのお手本にしたことがあります。土地も年代も形もアイテムとしても様々なビリケンさんが見られるのはここだけ。
今はなきアーケード
老朽化の問題で、2012年9月に撤去されたアーケードです。アーケード撤去の時の写真もありますので、また別途記事にしたいと思います。
この左側のシャッターはすべて取り壊されました。
猫と路地
この路地、朝のゴミ捨てでご近所さんと鉢合わせすると、すれ違うことができません。「あ、おはようございます、すいません、」「ああ、いってらっしゃい」と、どちらかが立ち止まって道をゆずる道幅。写真の路地の奥の方、よーーーーくみてください。パッチにTシャツのおじさんがいますね。数年前の写真なのですが今気がつきました。生活感あふれる住宅の間の路地は、家々の個性があふれていて、植木のスタイルも様々。’’店先の鉢植えの手入れが行き届いている食べ処のお食事は丁寧で美味しい’’。これ、最近増えた持論ですが、そんなことを考えながら、家々の鉢植えウォッチングも楽しいです。こういうこと考えだすと’’店先の鉢植えの手入れが行き届いている食べ処のお食事は丁寧で美味しい’’と仮定して、鉢植えと食事でお店を考察してみたくなってきます。’’玄関先の鉢植えの手入れが行き届いているお家の◯◯◯は◯◯◯’’とか。
このまちの鉄板の風景、路地と猫。猫好きの方がよく写真を撮りにこられています。たいてい一人でふらっと猫を追いかけて、しゃがんで、パシャ、近づいて、パシャ、ぼけ〜〜〜〜〜っと猫との時間を楽しまれています。家を出ようとした玄関先でそのプレイが始まることも少なくなく、しばらく玄関でじっと気配を消して、様子を伺い、プレイ終了後に家をでるってことにも慣れました。
また今気がつきましたが、奥におじさんがいますね。自転車に乗ってる?路地にはおじさんも付きものなのかもしれません。みんなが猫が好きという訳ではないので、猫よけのペットボトルが異常なくらい並んでいる、ペットボトル通りもあります。
お地蔵さまを囲んでお酒を飲む日 地蔵盆
8月のお盆明けにお地蔵さんを御祀りして、地域全体で催す昔からのお祭り。まち中にお線香の香りと赤白の提灯がぼんやりと浮かびます。地蔵盆に関しても、改めて記事を書こうと思います。
上の写真は i’ma の前ですが、奥に祠があります。実は昔は市場で御祀りされていたお地蔵さまなのですが、店舗の減少と管理が大変とのことで、5年程前からわたしたちが譲り受けまして、年に1回盛大に御祀りをして子どもたちにおやつを配っています。毎年お店の常連さんや近隣の人を招いて、お地蔵さんを囲んで大人はお酒をのみ、子どもはおやつを食らって健やかな成長を願う。一年の中でも好きな風景のひとつです。
重なるいろんな時間の経過
ほこり、さび、よごれ、つぎはぎのモルタル、パッチワーク風のトタン。全部壊して新しくするという方法を選んでこなかったまちは、いろんな時代のいろんなものでコラージュされています。
そんな中でもひとつ目的を持ってまちを楽しむのにいいネタは、肉球採集。
肉球採集とはなんぞや
こういうことです。足跡から猫が歩いていたのを想像して、あれ、なんでここで立ち止まった?歩幅急に狭!などなどいろんな視点で楽しめます。i’ma のイベントが始まるちょっと前にまちに来て、肉球採集しながら飲み歩きとか、どうですか?お酒片手に歩いても違和感のない、開放的なまちです。